信頼性技術部

浅井 圭祐

2014年入社 1級自動車科専攻

※部署名や役職名などは、取材当時のものです。

信頼性技術部

浅井 圭祐

2014年入社 1級自動車科専攻

※部署名や役職名などは、取材当時のものです。

一言で性能を左右する、
「最後の砦」の責任にかけて。

高校でモノづくりを幅広く学ぶ中でクルマへの関心を深め、自動車整備の専門学校へ。少量のガソリンが大きな動力を生むことに興味を持ち、知れば知るほどクルマの開発職に就きたい気持ちが高まっていった。同級生の多くが整備士の道へ進む中、選んだのが開発職を募集するアドヴィックスだった。

Section.01

実車試験評価で、性能とフィーリングをつくり込む。

学校のカリキュラムの一環として、アドヴィックスで1カ月半の実務研修を受けました。研修先の信頼性技術部では、実車評価という、それまで知らなかった種類の開発業務を目の当たりにし、強く惹かれました。それが、現在まさに自分が取り組んでいる仕事。自分が行うテストとその結果報告という一貫した幅広い業務によって、当社製ブレーキシステムの性能が最終的に決まり、クルマに搭載され市場へと送り出される。そんな大きな責任を背負ったモノづくりの「最後の砦」。

具体的には、製品と計測装置をクルマに取り付け、テストコースを走行してデータの取得とフィーリングを確認する「官能評価」を行っています。あらゆる走行環境を試すため、国内だけでなく海外のテストコースへも飛びます。車種も、軽自動車から乗用車、トラック、二輪車まで多岐にわたります。車両ごとに性能とフィーリングをつくり込んでいきます。

Section.02

運転技術を磨く。知識を増やす。日々の努力が不可欠。

私の担当は、ブレーキの基本的な「止まる」性能ではなく、車輪ロックを防ぐABSや、発進時の空転を防ぐTCSといった「制御ブレーキ」。危険を回避するための制御ブレーキが、狙い通りの制御を行うかどうかをテストするため、厳しい条件で運転します。ABSなら高速からのフルブレーキ、TCSならスケートリンク並みの凍結路面でアクセルを全開に。通常とは違う運転技術が求められるため、日ごろの運転時から練習が欠かせません。たとえば高速道路では、安全な車間を確保しながらも、自分で決めた目標速度±メーターの針1本分の誤差で走行を続けるよう、アクセルやブレーキの繊細な操作をします。また、結果の報告まで行うのが評価の仕事。得られたデータやフィーリングが目標通りにならない場合や、テストの過程でイレギュラーな挙動が起きた場合には、開発製品に限らずクルマのどの部分で何が起きているか、メカニズムを理解し推定できなければなりません。そのためには高度な技術と豊富な知識を得る努力が常に必要ですが、クルマの開発に携わるやりがいと楽しさを実感することができます。

Section.03

クルマがラクで楽しい、安全な乗り物であるために。

試験評価の際の条件は、「一般ユーザーの運転で、そこまでのことが起きるだろうか?」と思うほどの厳しい条件です。しかし、緊急時には、通常では考えられないことが起きるもの。ユーザーの命を守る、安全性が保証された開発製品を実現するためには、我々が代わりにさまざまな使われ方を再現してテストし、何が起きているのかを解明しなければなりません。「このクルマを購入するユーザーの命を握っているのだ」という自負を持って仕事に臨んでいます。その原点にあるのは、母が遭遇した追突事故。数年来、首の痛みに苦しんでいた母のような人を少しでも減らしたい。

そして、私自身も大好きなクルマを、事故の原因ではなく「ラクで楽しい」と感じられるものにしたい。そのために、より難易度の高いテストも含めたあらゆる試験評価ができる技術者をめざし、スキルと知識を高めていきます。